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April 03, 2005

DEMONLOVER

DEMONLOVER (2002/Olivier Assayas)

ロベール・ブレッソン「ラルジャン」(83)、大島渚「少年」(69)の様に、余りにも恐ろしい映画。映画を観ているということすら忘れさせる程の迫力に圧倒させられる。“映画とは神の芸術である”なんて言葉を久々に思い起こした。

フランスの巨大企業が日本、そしてアメリカのポルノ、アニメ、IT企業の買収を企てる。しかし、それら企業の内部には複雑なスパイ関係が張り巡らされており、個人の力では抗い兼ねる巨大な力が渦巻いていた。

徹底して被写体に肉薄するオリヴィエ・アサイヤスならではの演出が可能にした壮大な映画。生々しい人間を描き出すことで、それと表裏の関係にある曖昧かつ漠然とした社会を明確に提示する。小さく力強く、そしてリアルな存在である人間を映し出す前半の緻密さ、親密さ、丁寧さが一気に破壊されていく暴力的な後半に、想像を絶した畏怖を体験する。

映画ならではのディテールに拘った映像こそが醸し出す隠喩に満ちた傑作。

アサイヤスが最も最先端の映画監督であり、前衛であるということが映像、演出、物語、設定、テーマ、そして映画自身によって力強く宣言されているように思える。

とりあえず絶望的に怖い。街を歩くことさえ躊躇われるほどに不安になる。

この後に「CLEAN」を撮ったというのが、凄く納得できるし、安心するし、救われる。

DEMONLOVER公式HP


投稿者 井川広太郎 : April 3, 2005 03:13 PM  [ 映画REVIEW]

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