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December 17, 2004

5nights&6days?

10月04日月曜/LOST IN TRANSLATION

19:30 GREENHAT

白川監督と別れ、俺はドンドンの映画を観に行く。

「GREEN HAT」(2004/Liu Fendou )

銀行強盗をした男3人。その内の一人は高飛びに彼女を連れていこうと通り掛りの店から電話をかける。しかし、彼女のつれない返事に落ち込む。その内に警官隊に店を包囲される。店員を人質に取り立て篭もる犯人。ネゴシエーションを担当した刑事に犯人は問う。「愛とは何ぞや!」それに応えられない刑事。その刑事は肉体的なコンプレックスを抱え、彼の妻は不倫をしていたのだった…
あまりの面白さにショックを受ける。
ポップな映像、明確で軽快な編集、豪快な素早さで展開する物語、愛とSEXに悩みまくる登場人物達、全てが超一級品であり、それらが絶妙なバランスでリズムを刻んでいる。かなり深刻なテーマを、周到に抽出して行く。
タランティーノやソダーバーグの登場の時ような映画史的な事件。
ドンドンは脚本家として中国国内で評価され、デビュー作であるこの作品は、世界各国で絶賛されているらしい。そりゃ、そうだ。脚本の面白さは尋常じゃないし、演出も迷いが無く効果的で、技術レベルもすこぶる高い。どこを切っても、どこから見ても傑作だ。因みに、内容が過激なので中国では公開されていないということ。
間違いなく数年後、ドンドンは世界で最も注目される映画監督になっていると思う。

21:30 さまよう

ティーチインの後、ドンドンに話し掛けようと思っていたが、やめる。あまりの素晴らしさに落ち込んだから。再び、呆けた様に街をさまよう。こういう時は酒を呑むに限る。しかし、この街の酒屋は全て閉まっている時刻。どこか飲食店に入って注文するしかない。

22:30 寿司 Oct04_2245.jpg

いつの間にかロブソンストリートに来ている。ここには、やたらと日本人向け商店が多い。折角だからと寿司屋に入る。

店員は日本人女性で、寿司職人は日本語が話せない中国人。なんでも日本から職人を招いて仕込んでもらったらしい。

とりあえず、熱燗を頼む。

なんかバンクーバーに来てから、やたらと英語を話し、聞いている。で、俺は英語下手なんで、聞くのはともかく話すのに凄く不自由する。本当はもっと色々話したいのに、言葉が出ないからもどかしい。さっき、ドンドンと話すのを止めたのも、あの映画の素晴らしさをどう英語で表現しようか考え、俺の語彙では陳腐になってしまうと思ったから。言葉が下手なデメリットは、相手を理解できないことよりも自分を表現できないことだと思う。誰も俺のことを分かってくれないという孤独は絶望的なのだ。

寿司はネタ、シャリとも当然イマイチだが、握りが意外に上手で結構イケた。

24:00 ホテルに戻る

疲れているのに眠れない。浴室で窓を空け、煙草を吸っている。今日観た「THE MISSING」と「GREEN HAT」のことを考えている。とてつもなく寂しい。この寂しさは、物理的、肉体的な孤独ではなく、自分の表現への欲求と葛藤から来る精神的な孤独なのだ。それは日本にいても同じなのだけれど、自分の英語力を通すことで、改めてその事実を痛感させられる。もっと英語を話せるようになりたい。もっと映画を撮りたい。そういう動機があることは仕合わせなのだけれど、辛く苦しい事でもある。

28:00 眠れずに散歩

あまりにも眠れないので、仕方なく夜の街を散歩する。全ての店は閉まり、ゴーストタウンの様。何人か物貰いが近寄ってくる。結構、元気そうなのに仕事が無くプラプラしている人が多い。昼間から道端にずーっと座っていたり、金くれーって寄ってきたり。それだけ元気なら仕事しろよって思うけど、これが失業率の高さってやつなのだろう。若者がマッポにパクられ、マウント・ポジションからワッパ食らったりしている。

結局、眠れないままに、朝の光を仰いだ。


投稿者 井川広太郎 : December 17, 2004 04:31 PM  [ バンクーバー2004(更新終了)]

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