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November 11, 2004

5nights&6days 

10月01日金曜/一番長い日(前編)

13:30(日本時間) 白川監督と待ち合わせ 

いよいよバンクーバーへと旅立つ日。昼過ぎに白川監督と新宿西口で待ち合わせる。お互いにジャケット着用の上、肩掛け鞄一つという軽装。海外慣れすると荷物は軽く小さくなる。まあ、我々が行くのは国際映画祭を開くような大都市ばかりなので何一つ不自由することなく、当然なのだが。その割には白川監督は、最後の東京だなんて縁起の悪いことばかり言う。
成田への電車内は憂鬱。海外に行く時はいつも、浮かれ気分を成田への道中で最悪のものに変えられてしまう。世界中で、成田が一番遠い都市に感じる。

17:55(日本時間) 成田発 

ここまで来てトラブルは避けたい。何せ陸の孤島だから。前回、成田で持ち物検査をした時、アーミーナイフは機内持ち込み禁止と言われ、自宅に郵送したことがあった。スイスで買った名前入りのお気に入りの一品であり、海外に行く際は毎度持ち歩いていたものなのだが、年々、出国の検査は厳しくなる。今回は特に問題もなく完了。安心して外貨両替などをしていたら、場内アナウンスで呼び出される。まさか…と慌てて引き返すと、大事な書類が入ったファイルを発券カウンターに置き忘れていた。その中にはバンクーバーでの重要な連絡先一覧や帰りの飛行機の予約券が入っていた。おいおい!大丈夫か、俺。そう言えば、2年前にバンクーバーに行った際は搭乗券を空港内で無くしたりしたっけ。

日本とは暫しの別れ。食事をしたり、用も無いのに本屋の行ったり、掛かって来た電話に一喜一憂したり。なによりも寂しいのは煙草と別れなければならないこと。正確には、飛行機の中でも飛行場でも彼を肌身離さず持っているのだが、口にすることは出来ない。今生の別れとばかりに深く味わう。

飛行機の中では煙草を吸えない苦痛を、外に行けない憂鬱を忘れるために、食いまくり、呑みまくり、そして寝る。フライトは約8時間。目的地と日本との時差は17時間。毎度のことだけど、日付変更線を超えるという行為は否応無しに妄想と哲学と感動を生む。国境を超えるという概念が希薄な島国の人間には、日付変更線は地球に描かれた唯一のロマン。時差ボケ防止の為に、飛行機内でコントロールすることには慣れている。今日はとっても長い1日になるはずだ。ともすると無意識の内に共通概念だと思い込んでいる昨日、今日、明日という言葉のダイナミズムを夢想する。太陽への反逆。と、横を見るまでもなく、白川監督は赤子のように只管寝まくっている。逆時差ボケになったりはしないのであろうか。機内で何本か映画を観たが、どれも面白くは無かった。

11:30(現地時間) サンフランシスコ着 

飛行機の乗り継ぎ地点であるサンフランシスコに着いたのは昼前。格安チケットの恩恵で、意図せぬ見知らぬ土地に行けるのは楽しい。サンフランシスコ出身、あるいは在住経験のある友人は多いが、俺は滞在したことはない。聞く話によると、とても自由な雰囲気で、美しい街だそうだ。上空から伺えた景色は、確かに魅力的だった。
それにしても飛行場の中は時刻感覚が狂う。異様な広さと、均一な光線と、漠然とした音は、いつ何時、どの国でも変わらない。時差ぼけの発生原因の一つは、飛行場の時間感覚の無さなのではないかと疑う。

ここはアメリカなので当然、喫煙所があったりはしない。なんで、只管食いまくる。アメリカ・サイズのサンドイッチは、見た目だけじゃなく味もビッグ!なんてことを久々に実感した。つーか、逆に日本のサンドイッチは“おにぎり基準”で日本人向けに改良されたものなんだろう。どちらにしろ、両手で抱え、具がこぼれるのを必死に防ぎながら食べるのはシンドイ。成田で買った禁煙パイポみたいなハッカ味のプラスチック筒を人目を憚りながら咥える。

ここで我々の迂闊さに気付かされる。空港内の至る所にLANケーブルが配線されており、出来るビジネスマン風の人で無くとも、気軽にノートPCでネットに接続している。矢張り、日本のネット環境は遅れていたのか。PC持ってくれば、もっと気軽に色々出来たのにと後悔。見掛けるPCが全てhp製であることにも驚かされた。結局、道中でMacは1台しか見掛けなかった。

あとさ、携帯の利用に関してとっても大らか。皆、空港内は勿論、どこでも堂々と携帯電話で話している。元々、話す事が重要な文化なのだから当然かもしれないが、特に出来るビジネスマン風の人はイヤホン型のマイクを多用していて、「誰としゃべってんの?」と何度もビックリさせられた。

で、バンクーバー行きの飛行機を待つ。本来は2時間弱のはずだったのだが、やたらと遅れる。最初のアナウンスではちょっと遅れるって感じだったのに、次第に10分ぐらい、30分ぐらい1時間以上と長くなっていく。どうなってんの?と聞いても埒が空かないので、これ幸いとばかりに早速寝入る白川監督を横目に只管待つ。結局、3時間近く待たされた。後で聞いた話だが、何でもサンフランシスコ近辺の火山が噴火したとかで、飛行機の到着が遅れたらしい。知らぬが仏とは、まさにこのこと。そんなこと分かっていたら、飛行機に乗るのが怖くなっていたに違いない。

14:45 サンフランシスコ発 

西海岸のサンフランシスコから、同じく西海岸にあるバンクーバーへはほとんど国内線のノリ。成田から乗ったジャンボジェットに比べると頼りない小型の、いわゆるペンシル型の飛行機での2時間程度のフライト。あっちゅう間に雲の上に来たかと思ったら直ぐ、眼下に懐かしい2年ぶりに訪れる美しい街の姿が見え始めた。


投稿者 井川広太郎 : November 11, 2004 11:43 PM  [ バンクーバー2004(更新終了)]

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