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October 22, 2004

(トカゲ君へ)

  台風の吹き荒れるクランクイン前夜、先に現場入りした数名で、「SPICA」第3稿に書かれてないシーンのエチュード練習を3回繰り返しました。鈴木薫と福島拓哉の役作りの正反対の方法がぶつかり合い、メソッドと反メソッドが融合していく瞬間でした。更に、撮影の足がかりとすべき絵コンテが構築する画と製作アプローチのイメージ、つまり私の中にあった「映画的な何か」「白川の思考の方向性」を否定する衝撃を受けました。そして、ある次元に飛べたのです。
 シナリオを書き上げる作業は、その行為自体が「監督のメソッド」で、ソレを潔く捨て、現場で役者とスタッフと共に「再構築」すればいいのだ。そう、シナリオはただの紙で、台詞はただの文字。キャラは、頭の中だけの人形。映画監督というものは、メソッドを究極に高めシナリオを書き、現場で捨てる。私は「良い作品」を作る為に、「私のシナリオ」を現場で捨てれば良いのだ。
 私は現場で悩む事をこれまで恥じていました。しかし、それで良い。全員で悩む。そんなあたりまえの事を考えながら、クランクインの数時間前に、私は、「SPICA」を捨てる決断をし、本当の姿、有るべき姿の「SPICA」のシナリオ(ただの紙)を書き上げる事にしたのです。
 ごめんなさい。準備がドタバタすると思います。製作の江原さんにも更に苦労を掛けますが、期待してくれ嬉しく思います。新しい戦いに応じてくれる撮影監督の井川さんの強さ、人間性に感謝します。そして大勢のスタッフ&役者に感謝します。このキッカケを作ってくれた福島拓哉さんと鈴木薫さんに、私の「愛」を「SPICA」に込めたいと思います。私は「愛」の描けない人間でしたが、前進出来るかもしれない予感がしています。そうそう、精神の高揚をいざなってくれた台風にも感謝。台風は「トカゲ」という名前らしいです。

(念の為、理論うんぬんはまだ不勉強のメソッドは感覚的に理解してるつもりなだけで、使い方間違ってるかも。表現の幅を与えてくれた民生用ハイビジョンカメラHDR-FX1にも感謝しなきゃ。武器がなければ戦えません。)

syonichi.JPG


投稿者 白川幸司 : October 22, 2004 08:52 PM  [ SPICAメイキング日記]

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