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| ●フルカワミキさん【ミュージシャン(スーパーカー)】 |
思いや風景を描き出す線は、点と点のつながりで出来ているのだなーと日々思う。その線は宇宙にも届くことが出来るのだなーと時々思う。
2001年上映された「ファスナーと乳房」について、アメリカのショウビズ誌「Variety」はこう記した。白川監督の「時間的感覚」「強暴なテーマ」は、アンディ・ウォーホルファンらにしか享受しないだろう・・と。しかしこのコメントは全くの見当違いである。何故なら、アンディ・ウォーホルの作品は自己を消す為のアートであり、もう一方の白川の作品は自己暴露に支えられたアートだからである。強いてウォーホルと白川の共通点を挙げれば、今回の映画の長さだろうか。
白川の新作「眠る右手を」は3時間半である。しかも、今まで以上に複雑で扇情的な内容になっている。制作は、一昨年の和田淳子監督作品「ボディドロップアスファルト」と同じ、愛知芸術文化センターが担当している。さて脚本は、糖尿病により右手が麻痺した白川監督自身の体験に基づいて書かれているが、その設定の根幹は「家が舞台」「家族が観客」というものである。画家のシンは突然の発病により、右手が動かなくなる。妻のケイはセラピストでありながら、自らの感情を失っている。彼らの息子コウは失語症である。ケイの義理の姉サチは聾唖者・・・などなど。そんな崩壊してゆく家庭のもとに、シンの看護人、オカマのソラが訪れ、彼らの状況は変化していく。しかしソラ自身も、ゲイバーの店主ロウとの関係に心を痛めている。
映画は後半になり、そんな人々にコウの沈黙の審判が下っていくのだが、この「眠る右手を」は精神的、感情的に閉塞された「架空の百科辞典」のようでもある。ところが、この作品の目指す地平は前向きなものなのだ。そう、この作品は驚いたことに「より良い人生を歩もうとする物語」なのだ。
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ふとした拍子に、「眠る右手を」のシーンを、クソ暑い空気の中思い出します。まず、タイトルが好き。観てる間は、ストーリーに夢中でしたが、後になってなれる、こんな気持。(んんん・・・全く新しい癒し系かも。)
傑作です。怖かったし、堪らなく愛おしい。嬉しいのは、あれだけの描写で、何故か私には「健康的な狂気」という理想的な、まさに私がバンド活動などで目標にしている表現に出会った気がしました。きっと、監督は案外、精神的にはちきれる健康なのではないでしょうか?例えば昔、ミュージシャンなのに、お芝居のワークショップの演出家に、「頼むから、ステージで狂っても、すぐさま、もとに戻れる方法だけ教えろ!」と言ったことがあって、それは長い間の課題でした。その時は狂ってたのかも!(笑)・・・切実でした。でも、映画、拝見して、あーこれだ!みたいな・・って。
作品冒頭のセラピーに来る子達のシーンとかも、あまりに畳み込むから、「自分」を見付ける。そんな映画でもある。だから、若い子とか、どんどん観て欲しーなー。「自分」をどんどん見付けて。
永遠についても考えました。永遠に続く映画のように感じがして、でも最後にやっぱ永遠なんてないかも!なんて。それが良かった。現実に帰れてうれしー!みたいな。(決して長いことに文句言ってるんじゃないですよ。)
ええねぇ。ついにと言うべきか、やっとと言うべきか。「作品」と呼べる映画に出会えた。清々しい気分だ。嬉しくなるねぇ。
本来、人は生きていると「悦び」と「痛み」を共に携えている。それも背中合わせにだ。しかし、今の世からは、その両者がほとんど感じられない。まるで、それらを避けて生きているかのようにだ。本作は、その(両者の)心を持とうとしない連中に、力の限り、それを植え付けようとしている。
でも監督は分かっている。それが徒労の行為で終わるかもしれないことを。その潔さもいい。実にいい。
この監督は、生きることと死ぬことの意をかなり知っている。だから私は、とても清々しい気分になれたのだ。----SoGood.
血(血縁)について考えさせられる内容でした。
正直、目をつむりたくなるショッキングなシーンがあり、少し心が傷ついたのですが、ソラさんの暖かさで救われて、物語や作品全体は、とても心に残る素晴らしいものでした。後半部分はとても好きです。
3時間半の長さが少しも気にならなかった。失って初めて気づくことは多いもの。しかし失うことで、他者との関係は確実に変わっていく。見えないもの聴こえないものを見下さないことが大切だ。欠損の中でこそ、真実を見、聴くことが出来るのだと思う。病を得て、そして親しい人を失ってから、私の感じ方は全く異なってきた。・・・すばらしい作品。多くの人に感じてもらいたい。
すごく良かったです。出てくるキャラに現れてるという監督の中の様々な人格が、私の中にあるものと同じだった。人間の(自分の)汚さとか、いろんなものを感じて怖かったし、自分を見つめているみたいで、目とか耳をそむけたくなった。すごい人間味があって本当にまた観たいし、みんなにも観て欲しいって思った。本当に自分の心にめっちゃキタ作品でした。
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